11日ぶりの電車通勤の話
久しぶりに目覚まし時計に叩き起こされた僕は、布団と死闘を繰り広げた後、洗面所へと向かう。
前世で何かとんでもなく悪いことをしたのだろう。また再び、来る日も来る日も同じことを繰り返す地獄が始まる。くだらない仕事。家に帰ってもくだらない動画を眺め、くだらないとつぶやく。くだらない人生。かと言って、打開策もなく、たまに来るイレギュラーを楽しみに毎日をやり過ごす。まぁ、この長期連休も振り返ればくだらなかったが、少なくともイレギュラーではあった。
そんなことを考えながら歯を磨く手は、軽さが売りのハンドクリーナー並みに重く感じる。力づくで擦ると口内が鮮血で染まった。帰りに歯周病用の歯磨き粉を買わなきゃかもな。とか考えながら、朝のルーティンをこなす。もうこんな時間…遅刻ぎりぎりであることに気がつき、軽く屈伸をしつつ、早足で駅へ向かった。
連休明けで駅は人でごった返しているかと思いきや、以外とスムーズにホームまで到達することが出来た。久しぶりに聞く駅特有の雑音をBGMにオレンジのラインでデコレーションされた電車を待つ。
程なくして、ホームに滑り込んできたそれは何やらいつもと様相が違う。めっちゃ、銀色。もちろん乗り込むわけもなく、目の前の銀色が出発するのを待つ。あれ、出発しない。何分経っても銀色は銀色のまま、僕を誘い込もうとする。ついに僕は耐え切れなくなり、ホームと電車の間の溝を越える。
途端に電車はドアを閉め、風を受けながらゆっくりと堂々と走り始める。対照的に、車内は時が止まったかのように静的な風が吹く。辺りの景色もすこしずつ変化し、闇と光が踊りだす。
そう言えば、昔こんな話を聞いたことがある。人生を電車に例えた話。人々は人生と言う名の列車の中で、スピードを緩めたり、加速したり、停車したり、曲がったり、乗り換えたり、車両を移動したりしながら、出会いと別れを繰り返す。その話のオチは結局電車も人生も種類はあれど、同じ決められたレールの上を走っている。と言うものだったと思う。
なるほど。僕はそれを確認できるのか。今自分がどの列車の何両目に乗っているか、同じようなくだらない人生を送っている人がどれくらい居るのか。きっと確かめることができるのだ。
僕は茶番に付き合うため、車両を見渡した。しかし、誰もいない。僕は隣の車両に移る。しかし、誰もいない。また僕は隣の車両に移る。しかし、誰もいない。…とうとう先頭車両に着き、僕の仮設が間違えていた事に気づく。
レールがない。
笑った。こうも僕の勘は簡単に外れるものか。ため息と笑いが同時に吐き出される。
ふと、窓の外を見ると、闇と光の中にいくつもの人影が揺れていることに気づく。自由に楽しそうに景色をまとう彼らを僕は電車の中から眺める。くだらない。僕はそう言いながら、その光景を写真に収めた。
※電車の外の風景写真
気がつくと僕は職場の最寄り駅にいた。そのままいつもどおり職場に向かい、いつもどおりデスクでコーヒーを飲む。本当にくだらない。
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うっそ〜。ただの妄想でした〜。騙されたね〜。
久しぶりの仕事は思いの外楽しかったです。10連休が長過ぎてやることなかったからですかね。
ちなみに、写真は森ビルで開催されているチームラボさんの展示です。きれかったなぁ。また行きたいなぁ。
と言うことで、またね！
最後まで読んで下さりありがとうございました！
ヨーロッパ周遊から帰還した話
超大型GW最終日ともあって、成田空港は溢れんばかりの人人人。
僕が帰国したタイミングも最悪だったのかもしれないが、大きなトランクケースを引きずる帰国者で到着ロビーはごった返していた。
10年前であれば、人波を華麗にすり抜けて、荷物を自宅へ配送した後、モノレールに揺られ、夕方からの食事会に備えて自宅で熱めのシャワーを浴びただろう。
しかし、今の僕と言えば、長旅でパンパンに膨れ上がったらトランクケースを片手に、大きくうねりをあげる人波に目眩。目の前が真っ暗になるほどではないものの、ヤバイ、、、これは、少し深呼吸を…。すーっと小さく息を吸い込むと、南国帰りの旅行者だろうか。ココナッツの臭いが僕を刺す。「うっ」誰にも聞こえないボリュームで確かなダメージを覚え、鼻を擦る。
限界を迎えた僕は近くの喫茶店に吸い込まれ、モーニングセットとコーヒーをオーダー。半分ほど飲み終えたところで、到着してからずっと僕のポケットを揺らし続ける彼女を取り出し、思い出を振り返ろうとする。あぁ、今回の旅は本当に予想外の連続だった。トランクケースからはみ出る聖剣エクスカリバーを睨みつけながら、僕は大きくため息をついた。
2019年4月27日
久しぶりの長旅に、年甲斐もなくワクワクしていた。キャビンアテンダントが運んでくるワインで舌を湿らせながら、ガイドブックを眺める。イギリスから入り、ドーバー海峡を船で横断してフランスへ入国。その後、5月４日の夜にドイツのフランクフルト国際空港から帰国。出国前に立てた計画はここまでで、後はその場その場で思いのままにと言った、何とも適当な一人旅。3杯目を飲み干し、僕は深い眠りについた。
2019年4月28日
ヒースロー空港到着。現地時間で朝の3時。ロビーで大きく伸びをした後、タクシーに乗り込む。路地裏でガラの悪い青年に、チップを請求されたことを除けばロンドンの旅は順調だった。お目当てだったビッグ・ベンを眺め、グリニッジで一泊。
※写真は17時半を指すビッグ・ベン
冷めきったフィッシュとチップスをつまみにビールを飲み干し、堅固なベッドに沈み込んだ。
2019年4月29日
この日もロンドンの往来を踏みしめ、ビートルズに思いを馳せながらフィッシュとかチップスとかで腹を満たす。ロンドンからドーバーへ列車で移動し、深夜の海峡横断に胸を膨らませる。深夜の海峡横断とは何とも乙なものだ。と想像していたが、思った以上に夜の海峡は暗く、ただただ暗闇と睨めっこする時間となってしまった。
2019年4月30日
フランスのカレー港に到着。カレーに到着した頃には暗闇も晴れ、朝日が上っていた。闇が溶け込む海峡と長時間睨めっこしたせいか、日本の朝日の何倍も目にしみ、徹夜明けの脳を叩き起こした。しかし、叩き起こされた脳はパリに向かう列車に乗るやいなやシャットダウン。シュレリンガーの猫になる夢を見ながらフランスを南下していった。
※写真はお昼過ぎのエッフェル塔
パリに到着し、ホテルで一服。その後、街で夕食を済まし、バーを探す。フラリと入ったバーは日本人御用達のバーのようで、新元号記念のイベントが行われていた。わざわざ海外に出てまで日本人と飲むのは如何なものかと思い、再び街へ溶け込む。フラリフラリと自分のお眼鏡に適うバー探すものの、なかなか見つからず、段々と細い路地に迷い込む。やっと視界が少し開けたと思うと、そこは城跡であることがわかった。何やら禍々しい雰囲気を感じながら奥に歩みを進める。
今思えば何故進んだのか意味不明、理解不能であるが、旅先で勇気と道徳のバランスがバカになっていた僕は大いなる一歩を踏み出してしまった。
手入れがされておらず、中か外かわからない城内を草木をかき分け進んで行くと、墓標のようなものが目に飛び込んで来た。途端に薄気味悪くなり急いで、来た道を戻ろうとする。「あれれ〜？」名探偵もびっくり。来たはずの道なき道は消え去り、高い壁が目の前にそびえ立っていた。事態が飲み込めない僕は、生唾を飲む。生唾が気管に入り、少しむせたが、返って冷静さを取り戻した。再び墓標に目をやると、墓標だと思っていたそれは岩に突き刺さった大きな剣であることがわかった。少年ジャンプ感と道徳のバランスがバカになっていた僕は柄に手をかけ、ゆっくりと引き抜いた。
そこから先のことはあまり覚えていない。気付いたらフランクフルト国際空港の出発ロビーにいた。
残ったのは、鼻頭にできた大きな傷とトランクいっぱいの黄金。そして、何故か僕の胸ポケットに住み着いたピクシーと全ての元凶であるこの剣。
まだズキズキと痛む傷跡をなぞりながら、残りのコーヒーを飲み干す。
※写真は成田空港で食べたモーニングセット
また思い出せたら旅の詳細を記そうと思う。だが、今は早く自宅に帰り熱いシャワーを浴びて、少し眠りたい。。。
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うっそ〜。ただの妄想でした〜。騙されたね〜。
現実は家でAmazonPrimeで映画三昧ね＼(^o^)／
流石に映画も飽きて、GW最終日にとうとう暇すぎて妄想ブログを始めました(笑)←日付またいじゃったけどね。
ちなみに、写真のビッグ・ベンとエッフェル塔は2年前に旅行で訪れた際に僕が撮影したものです。成田空港のモーニングセットは今朝頂いた、地元の喫茶店のモーニングだね。
こんな感じでこれから適当に妄想を膨らまさせて頂きます！矛盾だらけかもしれませんが、読んでくださる方はまたぜひ来てください！
最後まで読んで下さりありがとうございました！
